時事コラム「風」

民主党政治に関心を

[2009年09月01日 16:19]

 民主党の歴史的な圧勝に終わった衆院選。今選挙はこれまでになくマニフェスト(政権公約)に注目が集まった。だが、結果を見れば自民党政治への不満が爆発し、政権交代の風が吹いたという見方が大勢だ。民主党が政権を担うことで地元経済にどういう影響があるのだろうか。
 「建設を途中でやめられたらたまらない」。東九州自動車道の早期建設に力を尽くした経済界の重鎮は不安を隠さない。「官僚主導の政治を改める」という方針に期待を寄せながらも、国の予算207兆円を全面的に組み替え、税金の無駄遣いをなくすとした手法が「中央を大事にして地方を粗末に扱う恐れがある」からだ。
 地元バス会社の経営者は高速道路の無料化に懸念を示す。「週末の千円割引ですら減収は顕著。高速バスの利益で地方路線の赤字を何とか穴埋めしてきた。これができなければ不採算路線の廃止は避けがたい」
 高速無料化は多くの国民に歓迎される施策だが、地球温暖化防止のために公共交通機関を使おうという取り組みには逆行する。バスやフェリーへの影響は大きく、いったん廃止された路線や航路を元に戻すのは容易ではない。
 民主党が掲げた経済分野のマニフェストは「最低賃金を時給千円以上に」「農業の戸別所得補償制度を創設」「中小企業の法人税率の引き下げ」など。小沢一郎代表代行が着実な実行を宣言したが、多くの国民が財源の裏付けに疑問を抱き、「(財源確保のため)無駄をなくす」の一言が波紋を広げている。
 最低賃金の引き上げは中小企業にとって人件費の増大を招き、雇用維持を不安視する声が上がっている。
 国民が民主党を選択したのは、政治の閉塞(へいそく)状態を変えてほしかったのであって、政策すべてに賛成というわけではない。国民の声に真摯(しんし)に耳を傾け、柔軟に見直す姿勢も必要だ。そして理由をきちんと説明し、賛同を得ること。一方で有権者にも選択した責任がある。政治に高い関心を持ち続けることが求められる。
                              (経済部長・宗丈善)

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