県美術協会は6月の総会で新会長に合田習一氏(彫刻部)を選出。念願の新県立美術館建設運動を継続することを確認した。県美協は1999年、4万人以上の署名を集めて県に県立美術館建設を要請。その後もたびたび要望書を出している。昨年は独自でシンポジウムを開催。今春は初めて3部会(日洋彫工、写真、書道)がチャリティー展を開き、建設活動資金を集めるなど意欲的だ。
県も新しい美術館の必要性は認めており、今年2月、中期行財政運営ビジョンの中で新美術館の整備構想を策定する検討組織を設けることを明らかにした。実態調査から入り、3年以内に方向を出すというが、「香りの森博物館」の例もあるだけに“箱物”には慎重になるだろう。
だが、大分県は公立博物館整備が遅れていることを、まず再認識することである。博物館といえば歴史、芸術、民俗、科学などがあるが、この中で満足のいく施設はまだない。これから造るならもっと地域の個性、独自性を出した博物館が必要だ。例えば南蛮博物館、温泉博物館などは大分県になくてはならないものといえる。道州制を見据えたときの博物館の在り方も研究の必要あり、だ。
県立美術館ならば豊前・豊後の歴史、風土を背負いながら、既存の大分市美術館と役割分担する中で、県立のコンセプトを明確にする必要がある。また、場所はやはり県都でしか考えられないし、今後は21世紀の「文化都市」を創造する長期ビジョンの中で、その核となれる位置と機能を検討すべきだろう。
必要な博物館が多い中で、なぜ美術館なのか。県美協としては長年の運動の重みをかみしめて、その問いに答えなければならない。専門家集団として内部に専門組織を設け調査・研究し、県民のための美術館を県に提示してほしい。
県が今回、美術館整備構想の策定を県教委から知事部局に移したことは“本気”になったということ。ただし、整備対象はこれで美術館とは限らなくなった、ともいえるのである。(編集局次長兼文化科学部長・清原保雄)
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