「自分の会社の概要やこれから取り組むビジネスモデルを、15分以内でプレゼンテーション(説明)してください」
そういう審査会が毎月1回、県庁で開かれている。中小企業の経営者が「経営革新計画」の承認を受けるため、ベンチャーキャピタルの社長や中小企業診断士を前に、事業転換や多角化に関して熱弁を振るう。承認されれば、政府系金融機関の低利融資や行政からの補助金といった支援措置が受けられる。
制度は1999年12月に始まった。今年6月までの承認企業は405件。県内にある約4万1千法人の約1%に当たる。審査会を運営する県経営・金融支援室は「企業が将来を見据えて自社の事業を洗い直し、新たなビジネスプランを持ち込む。必死に汗を流し、大半の企業が以前に比べ業績を伸ばしている」という。
このうち100社以上を取材し、経営者の熱意や知恵にしばしば圧倒された。受注の激減に危機感を募らせた建設会社社長が、寝る間を惜しんで独自の工事原価計算ソフトを開発。今では販売会社として立ち上げたミヤシステム(大分市)が全国展開している。苦労の末、紫外線空気殺菌装置「エアシールド」を開発したシールドテック(同)は今月、九州ニュービジネス協議会のアントレプレナー(起業家)大賞を受けた。
リネンサプライ業のクリニカル・サポート大分(由布市挾間町)は、特養ホームに納めていたシーツや病衣に色柄物を導入し、納入先を一気に拡大した。その後も新商品を開発して差別化。売上高は4億2千万円と計画承認から4年で約2倍に伸びた。誰でも気付きそうで気付かない、まさにコロンブスの卵の発想だ。
人間同様、企業にもライフステージがあり、創業期を経て成長、成熟期を過ぎ、いずれ衰退期へと向かう。継続的に発展するには、直面する経営課題を的確にとらえ、新市場や成長分野に挑戦することが求められる。外の目を通して自社や経営戦略の客観的な評価を受けることが大切ではないかと、あらためて思う。
(経済部長・宗丈善)
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