議会基本条例をご存じだろうか。自治体議会の在り方を定めた“最高法規”である。県内では4月、県議会と大分市議会の条例が施行された。制定に向け研究をしている議会もある。この条例が議会を変えることになるのか、注目される。
全国で最初に制定したのは北海道栗山町議会。2006年に設けた。議会を「町長と同じく町を代表する機関」と位置付け、開かれた議会づくりや政策立案議会への取り組みに乗り出した。町の総合計画作りに議会の修正案を反映させるといった成果を挙げた。全国に知られ、同様の条例を制定する議会が現れ始めた。
なぜ今、基本条例なのか。指摘されて久しいが「議会は十分に役割を果たしていない」との思いが住民にある。執行部が出す議案に賛成するだけの機関にすぎない―との批判だ。報酬が多すぎるとの意見もある。そうした声を受けて議会改革が待ったなしとなり、改革の柱に基本条例制定が浮上した。
大分市議会の条例を見よう。自治体の首長と議員がそれぞれ直接選挙で選ばれる「二元代表制」に着目し、「議会は二元代表制の一翼を担う重大な責務がある」と宣言。自由な討議を経て政策をつくったり、執行部提案に議会の意見を反映させて市民の負託に応えることを掲げている。
理念に異論はない。だが、これまでの“慣習”もあって姿を変えるには相当の自覚と努力が必要だろう。まずはできることから一つ一つ取り組み、地道に積み上げてほしい。その結果が理念と合致して初めて改革ができたといえよう。
首長は強い行政権限を持つが、独断の恐れもある。議会は論議を通じて多様な意見を集約し、成熟した結論を出すことが可能だ。この機能を生かして首長の方針に議会の意見を反映させたり、独自の政策を示し、より良い地域づくりを目指す―。それが基本条例を持った議会の姿だろう。
条例制定に向けた大分市議会の勉強会で講師の神原勝・北海学園大学教授はこう言った。「議会が変われば自治体が変わる」
(編集局次長兼地域報道部長・松尾和行)
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