ヘルメット四十個、スコップ九本、照明灯三個、ロープ五本…。「毎年度、自治会で五万円の予算を付けて防災資機材を少しずつ買いそろえている」
別府市鶴見町(約千五百五十世帯)には、町公民館に隣接して防災用器材庫がある。同町の自治会長で、別府市連合防災協議会長でもある橋本光夫さん(79)は「十分とはいえないが、町内会が自前の防災倉庫を持っている」と胸を張った。
別府市は自治会の単位を中心に、自主防災会が組織率100%(百四十五町)を達成している。各自主防災会は「情報班」「消火班」「救護・給食班」「避難誘導班」「警戒班」の五班で編成している。
住民が多い鶴見町はこのほか、婦人部や市社協の登録ボランティアなど、災害時に頼みとなる組織が充実。春秋の二回、自治会単独の防災訓練を実施し、三カ月に一度は資機材を点検している。
橋本さんは「住民の連携や防災意識をいかに維持するかが、非常に難しい問題。高齢化が進む一方で、地区にはマンションやアパートが増え、新たな住民が移り住んでくる。若い人たちの自治会活動への参加は低調で、せっかくの防災訓練も、参加者を集めるのが大変」と言う。
同市消防本部予防課は「自主防災会の取り組みは、住民同士が互いの顔を知り合うことが第一歩」とコミュニティーの大切さを強調。「大災害が起きれば被害が広範囲に及び、それぞれの被災地区に、十分には、消防は出動できない。地域ごとに『自分たちでできることは自分たちで』という危機意識が大切だ。自主防災会の活動を形骸(けいがい)化させない工夫が必要になる」と話した。
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