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知的障害男性に突き飛ばされ死亡 遺族が賠償求め提訴

 大分市内のマンションで2014年、男性管理人=当時(62)=を2階通路から突き飛ばして死亡させたとして、知的障害のある無職男性=当時(42)=が傷害致死の疑いで書類送検され、不起訴となった事件を巡り、管理人の遺族が、無職男性の両親に損害賠償を求めて大分地裁に提訴したことが分かった。第1回口頭弁論が7日にあり、遺族側は約5300万円を請求した。

 提訴したのは管理人の息子2人。訴状によると、無職男性は両親=いずれも当時70代=とマンションに同居していた。遺族側は「男性の加害行為を防止する手段を講じることなく、外出するのを漫然と放置していた」と指摘。監督義務違反があったと主張している。
 両親側は争う姿勢を示しており、次回以降の弁論で反論する見通し。
 事件は14年10月に発生。管理人は外階段の踊り場に転落して頭を強く打ち、死亡した。訴状によると、管理人は無職男性が1人で外出しているのを見つけ、連れて帰らせようとしていたという。大分地検は無職男性の刑事責任を問えないと判断し、今年10月に不起訴処分とした。無職男性は11月、病死した。 

最高裁 「実態 総合的に判断」
 民法の規定では、子どもや精神障害者など責任能力のない人が与えた損害は、親などの「監督義務者」に賠償責任があるとしている。ただし、監督義務を尽くしていた場合や、損害発生を防げなかったと認められる場合は免責とされる。
 最高裁は昨年3月、認知症の高齢男性が徘徊(はいかい)中に電車にはねられた事故を巡る訴訟で、「家族だからといって監督義務があるわけではない。実態を総合的に考慮し、責任を問うのが相当といえるかどうかで判断すべき」と指摘。自身も介護が必要だった男性の妻や、同居していなかった長男に鉄道会社への賠償責任はないとした。
 今回、大分地裁に提訴した遺族側の代理人弁護士は「両親は男性と一緒に生活し、身の回り全般の世話をしていた。男性を監護する義務があった。被害者側とすれば損害賠償を求めたい気持ちは強い」と話している。
※この記事は、12月8日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。

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